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ジェントルマンの伝統生きる、ラグビーの歴史に学ぶ

 ラグビーワールドカップの優勝トロフィーが「ウェブ・エリス・カップ」と呼ばれるのをご存じでしょうか。ウェブ・エリスは英国のラグビー校に在籍していた少年です。1823年、エリスがフットボールの試合中にボールを抱えて走ったのが、ラグビーの起源だというのが「エリス伝説」です。


 実際には、当時のフットボールのルールは統一されておらず、手を使うのは珍しいことではありませんでした。逆に数あるフットボールの一つでしかなかったラグビー校の球技がラグビーとして有名になったのは、当時の古い型を守ったからなのです。

1863年にフットボールのルール統一が行われ、現在のサッカーができ上りました。足だけを使うこの新しい球技に背を向け、ボールを持って走り続けたのが、ラグビーです。ラグビー校式のルールを支持する人たちが集まり、1871年にラグビー・フットボール・ユニオンが結成され、正式にラグビーという競技が誕生することになりました。


 サッカーでルール統一と世界各地への普及が進んだのに対し、ラグビーは13人制のリーグが分裂するなど、普及は遅れました。ワールドカップの開始年はサッカーが1930年、ラグビーは1987年です。でもだからこそ、英国のジェントルマンのスポーツとしての伝統が継承されたのだとも言えます。激しいプレーの応酬は、相手の善意を前提にしています。

流山ラグビークラブ”グレイトホークス”が大切にするものも、相手への尊敬を重んじるラグビーの伝統です。


日本では、1866年に設立された横浜フットボールクラブがアジア初のラグビークラブとして世界ラグビー博物館に認定されました。また、日本ラグビーフットボール協会は、1899年の慶應義塾が日本ラグビーの発祥だとしています。


日本のラグビーは大学スポーツとして発展し、全国高校ラグビー大会は2020年度で第100回を迎えるまでになりました。また私たちが楽しんでいるタグラグビーが2010年に小学校の学習指導要領に掲載されるなど、さらなる広がりを見せています。

(江戸川大学マスコミ学科、青木力)


【参考】

笹川スポーツ財団  


「競技規則」ラグビーユニオン


一般社団法人日本ラグビーリーグ協会


YC&AC


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